マレーシア映画「タレンタイム」鑑賞 9/9(土)

ギンレイホール.jpg9月9日 秋の気配感じられる微かな涼風が心地良い土曜日。今回は昔ながらの名画座飯田橋ギンレイホールで「え~がね」の鑑賞会を開催しました。だんだん増えてきた参加者は…13名。新たに参加して下さった方は4名(内、男性が3名!)もう気兼ねなど全く無用の「え~がね」。
遠慮などしてたら、とても素敵な映画を観る機会を逃してしまいますよ~これからも多くの参加者募集です!
作品は『タレンタイム~優しい歌』(2009年)

☆あらすじ☆

2009年7月25日、51歳の若さで亡くなったマレーシアの女性監督ヤスミン・アフマド。

アジア映画の未来への道しるべと期待された彼女の早すぎる死は世界中のファンを悲しませました。ヤスミンの最高傑作で、長編映画としての遺作になった作品。

マレーシアという国は複数の人種、言語、宗教が混在しており、インド系のヒンズー教徒、マレー系のムスリム、マレー系と英国系の混血、香港由来の華僑…と多民族国家の様々な境遇の高校生達の個人では乗り越えられない不条理な苦悩、葛藤、恋などの青春を軸にした群像劇。

✳︎イスラム教とヒンズー教の恒久的な根深い対立。

*マレーシアではイスラム教徒と他宗教の人が結婚する時には、他宗の人がイスラムへ改宗しなければいけない。そのため改宗者の側の家庭は切り崩されるようなつらさを味わう。

*進学の際にマレー人優遇策があるせいで、中国系の生徒は勉強を凄くしなきゃいけない。マレー人のほうは多少のんびりやってても大丈夫なので不公平。

(*外部リンク)

☆感想☆

ドビュッシーの『月の光』はじめ音楽が素晴らしかったです。コンクールで歌う曲、BGMで流れる歌。情感溢れて繊細で…。主に3つの家族・親子がメインで、その高校生の子供達のタレンタイムというコンクールのリハーサル風景を中心に描いています。

はじめは各エピソードが断片的に提示されてる印象で、少し分かりづらい感じがしました。それが中盤に差し掛かるうちに、情緒が出てきて…『月の光』に彩られ若い男女の初々しい仄かな恋心や感情の機微、親子の子供を愛しむ親心と、親を敬い大切に思う子の心。(多民族国家の若者たちは信心深く親孝行で、優しい)女性監督ならではなのでしょうか…細やかな観察眼を持って描かれていて、バラバラなピースが段々とひとつに纏まってゆくようでほんの少しのカタルシスを感じるほど?でした。それにアジアの湿った空気感というのでしょうか。とても共感を覚えました。

民族・宗教の違いで底知れぬ憎悪にも発展してしまいそうな、複雑に絡み合う対立感。まるで細胞の中に根深く巣食うガンのように…。私達日本人には肌感覚ではわからない部分だと思いました。でも監督の眼差しはとても温かい。マレーシアという国を客観的視野は捉えつつも主観的視点を持ち(それは「愛」だと感じました)

未来=若者 に託し「希望」を観せてくれました。本当に稀有な才能の賞賛すべき監督の逝去は惜しまれるばかりです。
感動の涙が止まらない人3名! 噂に違わず『傑作』でした。
え~がね.jpg

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